小説

村上春樹『風の歌を聴け』

村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』を読んだ。アンチでもなんでもないのだけど、これまで村上春樹の小説をあまり読んでこなかったので、これから刊行順に中篇と長篇を読んでいこうと思っている。 風の歌を聴け (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカ…

パトリク・オウジェドニーク『エウロペアナ ニ〇世紀史概説』

白水社の《エクス・リブリス》から出た、チェコの作家、パトリク・オウジェドニークの『エウロペアナ』を読んだ。副題は〈二〇世紀史概説〉で、主にヨーロッパを中心とした20世紀の歴史が語られる。装幀にはガスマスクを装着した二人のドイツ軍兵士の間に同…

舞城王太郎『バイオーグ・トリニティ掌篇集』

ウルトラジャンプ2014年11月の付録は舞城王太郎の文庫本で、「呼ぶ声日子」(ウルトラジャンプ2014年月号初出)と「箱運ぶ鳥」(書下ろし)という二作が収録されている。付録としては上出来で、160ページあって、ちゃんとしたカバーもついてて、造りは通常の…

柴崎友香「見えない」

「建築と日常」の別冊「窓の観察」に収録されている柴崎友香の短篇「見えない」を読んだ。この「窓の観察」は64ページと薄い本だけど、「見えない」の他にもqp(画家)による窓を写した連作写真や、中山英之(建築家)による絵本が収録されている。 窓の観察…

閻連科『愉楽』

発売前から話題で、中国版『異形の愛』だと聞いており、そりゃもうかなり楽しみにしていたのだけど、読んでみたら期待にたがわぬ面白さで度肝を抜かれた。 愉楽 作者: 閻連科,谷川毅 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/09/26 メディア: 単行本 こ…

木下古栗「人間の本性を考える」

「小説すばる」2014年10月号掲載作品。短篇。古栗のために「小説すばる」生まれて初めて買った。というか、読むのも初めてか「小説すばる」。古栗の「小説すばる」デビュー作であります。 小説すばる 2014年 10月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 集英社 発売日: …